歯磨きなどを欠かさず、愛犬のお口の中の清潔を保っているつもりなのに、口臭が気になることがあります。
口が臭うのは何が原因なんだろうか、と疑問に思うけど、どのようにケアを行ったらよいかわからない、そんな方は多いと思います。
そこで今回は、犬の口臭の原因と対策についてお話いたします。
犬の口臭の原因は大きく分けて3つ
犬の口臭の原因としては、大きく分けて口腔内の乾燥、歯周病など口腔内の疾患、そして内臓の疾患の3つがあります。
口腔内の乾燥
原因として一番考えられるのは、口の中の乾燥であり、犬の場合、通常唾液によってある程度の湿り気があるのですが、何らかのことがきっかけで水分が不足してしまうと唾液に変化が生じ、粘っこくなり口臭の原因になります。
特にひどいのは鼻炎を併発している場合であり、鼻づまりによっていつも口を開けている場合、空気によって口の中が乾燥し、唾液自体も粘度を増して、生臭かったり魚臭かったりしてしまいます。
夏には体の熱を下げるために、常に口を開けていることが多いので、さらに乾きやすくなります。
対策としては、水分が不足している可能性もあるので、水分を多く摂らせるようにしましょう。
口腔内の疾患
口の中の疾患においては、歯周病が最も多いです。
人間と同じように歯肉部分が炎症を起こすだけでなく、骨まで炎症が広がってしまい、歯が抜けてしまう場合もあります。
さらに犬は人に比べると歯垢から歯石に変化をするスピードが大変速く、少しの期間でも歯垢を取り除かなければあっという間に歯石となり、さらにその歯石に歯垢がたまるといった悪循環が起きてしまいます。
統計では3歳以上の犬の8割は歯周病になっているというデータもあり、油断はできません。
歯周病がきっかけとなっている場合は、腐敗したような臭いとなります。
なお、まれに腫瘍が原因となることもあります。
腫瘍は良性や扁平上皮癌、繊維肉腫や悪性黒色腫などがありますが、悪性腫瘍の場合、骨にも影響を及ぼすので腐敗臭がすることが多いです。
悪性腫瘍においては口臭だけが症状として現れるのではなく、体自身にもだるさや嘔吐といった影響が出てきますので、なかなか臭いだけで判断することは難しいです。
内臓の疾患
内臓においては、胃腸や肝臓、腎臓といった大切な部分に何らかの不調が起きている時に発せられます。
アンモニアのような臭いがする場合は、肝臓や腎臓の働きが弱くなっており、アンモニア臭がします。
酸っぱいような臭いがする場合は、胃腸が弱っており、胃酸の分泌によって酸っぱい臭いがしてしまいます。
このほか空腹時間が長くなると胃酸が多くなりすぎてしまい臭うこともあります。
便のような臭いがする場合は、便秘や口の中の問題の可能性があります。
便秘が原因のことが多いですが、腸閉塞や腸ねん転を起こしている場合は重篤になる可能性が高いです。
嘔吐や下痢、ぐったり感が生じている場合はすぐに病院に行く必要が出てきます。
この他としてペットフードが劣化していることもあげられます。
ドライ系であれば大丈夫かと感じてしまいますが。ウェットでもドライでも脂質が酸化をするのは同じであり、劣化も起こります。
劣化してしまったものを食べると食べかすが歯につき、いつもと違った臭いが起こることがあります。
犬の口臭の対策
このような臭いの対策としては、歯周病や口腔内に問題があるときは、まず動物病院で歯石を除去してもらうとよいでしょう。
歯石は家庭で取り除くことは大変難しいです。
まして犬の場合、我慢して口を長時間開けていることは難しく、健康な歯ぐきも傷つけてしまう恐れがあります。
そのため専門家に取り除いてもらい、歯磨きの仕方も見直すようにします。
歯周ポケットまで入り込んでいる場合は全身麻酔となってしまうこともあるので、そうならないように、できるだけ丁寧な歯磨きを心がけるとよいでしょう。
奥歯は取るのが難しいので、歯磨きガムやタオルのおもちゃをかませて遊びを通じてきれいにする方法も試みましょう。
ご褒美を使って歯磨きに慣れさせると嫌がることも少ないです。
また、内臓がきっかけとなっている場合の対策は、まず病気を治すことが大切です。
このようなときは口臭の他に様々な症状が現れているので、嘔吐なども併発している場合は病院を受診するようにします。
夏は脱水症状を起こすこともあるので、水分を多く摂ることを心がけてください。
まとめ
犬は人間と違って何か具合が悪いことがあっても、話すことはできません。
そのため日ごろから様子を見て改善していくことが大切です。
単に口臭がひどいと感じるだけでなく、まず口の中をチェックし脱水が起きていないか、歯周病になっていないかを確認してください。
近年では夏だけでなく春や秋にも脱水症状を起こしているケースが増えています。
季節に関係なく水分は十分に飲ませるようにし、体を整えていくことが大切です。
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